2014年5月30日金曜日

PISAディレクターからの返答

 

PISAの在り方を問う署名運動が世界で拡大する中、イギリスのガーディアン紙が、PISAディレクターであるアンドレアス・シュライヒャー氏が寄稿した手紙を掲載した。



ピサプログラム短期的施策にあらず

その手紙は、こんな文から始まっている。
Dr Heinz-Dieter Meyer とその他の学者らによるレターは、OECDPISAに対する幾つもの誤ったクレームをつけている。」
第一の点は、「PISAが教育政策における短期的な修正へのシフト導いたという証拠はどこにもない」ということ。
彼はこう付け加える。
「反対に、国際比較の中から幅広い政策オプションを提示することにより、PISAはより効果的な政策デザイン作成のための数多くの機会を提供した。また、それは、政策を作成する者やその他の関係者が境界なく協力する重要な機会をつくった。」
そして、
「改革によっては結果が出るのに時間がかかるものもあるのが間違いのない事実だが、実際に多くの国々が短期間で素早い成果を出している。例えば、ポーランド、ドイツなどの国々は、目に見える成果を3年ごとに着実に出している。」
第二の点は、学者らの手紙に書かれた、OECDPISA実施のために民間との提携を歓迎し、アメリカやアフリカで公教育民営化の一翼を担う多国籍企業らと契約を交わしているという主張について書かれたものだ。
Dr. Meyerが示唆するような「公と民間の提携」やその他の同盟はない。PISAの開発、実行、結果報告に関する全ての仕事は、PISA運営委員会の指導の下、そしてOECDの完全な責任の下で行われている。」
補足として、OECDPISAのテクニカルな事業をアウトソースすることは勿論あるが、それらの請け負い会社は、金額に対するサービスの最高のクオリティーを基準に、全て透明で公的なプロセスを得て最高の資格を持つ者や会社に委託されている、と書いている。(ちなみに、最後の段落は署名運動とは別のPISA批判ついて書かれている。)
このシュライヒャーの手紙は、我々の主張の非常に細かい部分のみに応えていて、ポイントがずれている。
多くの教育学者らにとっては、もっと大元の、PISAの土台となる教育のビジョンや学力観の方が深刻な懸念なのだ。


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