2015年8月2日日曜日

市民らが支えた教員組合スト ~ シカゴ教員組合ストが日本の私たちに問いかけること ~


生徒数40万人を超える全米第三の学校区、シカゴ。

繰り返し行われる大幅な予算カット、学校内の図書館や各種事業の閉鎖、学級生徒数の増加、教科書不足...。そのような過酷な状況下でシカゴの公立学校は生存競争を強いられ、2004年から2011年までの間に、実に100校近い公立学校が閉鎖され、85の公設民営校が代わりにオープンした。学校閉鎖の度に教員の一斉解雇が行われ、職を失った多くの教員は非組合員として公設民営校に悪条件で再雇用され、教員組合は弱体化していった。

そんなアメリカの新自由主義教育改革の縮図のようなシカゴで、2012年9月、教員組合が四半世紀ぶりに一斉ストライキに踏み切った。その裏には、次々と閉鎖されていく学校を前に何もしようとしなかった組合にとって代わり、学校を守ろうと立ち上がった教員たちの姿があった。四年の歳月をかけた教員組合改革の果てに起こったシカゴ教員組合ストは、驚くことに親、生徒、一般市民にも広く支持され、組合側の勝利に終わった。シカゴでいったい何が起こったのだろうか。季刊『人間と教育』で私が担当させて頂いている連載の夏号では、この歴史的ストの舞台裏に迫ってみた




3.11以後、日本でも様々な社会運動が繰り広げられているが、教育における権力の集中と非民主的な運営方法を巧みに可視化することで政治や社会の在り方そのものを問いただし、人々の意識を高め、世論を動かしていったシカゴ教員組合ストに学べることは多いのではないだろうか。



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