2011年4月12日火曜日

いつか東北で ~ 今しかできない教えと学び 1~

 2005年、カリブ海諸国並びにアメリカ南部を襲ったアメリカ記録史上最大級のハリケーン・カトリーナ。




 被害総額も史上最大の99億ドル(今日の換算で約7兆6000億円)の損害を出した。中でも壊滅的な被害を受けたのがルイジアナ州ニューオーリンズで、市内の陸上面積の8割が水没、カトリーナによる死者1836人のうち、約86%がニューオーリンズで発見された。



 そのような未曾有の被害を受け、未だに復興の途中にあるニューオーリンズを、一か月前にカトリーナを遥かに超える災害に見舞われた日本出身の自分が訪れることに、何か運命的なものを感じていた。



 カトリーナから約5年半後の2011年4月初旬、American Educational Research Association (AERA) による年一度の学会が開かれた。参加者は少なくとも13,000人。研究者、教員、大学院生等、世界中の教育関係者がニューオーリンズに集まった。ダウンタウンの各有名ホテルの会議場では一日中様々な会議が行われ、客室はどこも満室となり、フランス領だった時代の面影を300年以上もの間大切に守ってきたFrench Quarter(フレンチ・クウォーター)のレストランやギフトショップも、AERAのトートバッグを持った人々で賑わった。



 経済効果はいったいどれくらいになるのだろうか。意図的にニューオーリンズを選んだかどうかはわからない。でも、こんな形の災害支援もあるのかと非常に感銘を受けた。訪れた多くの店では、学会のために来たことを伝えると、“Thank you so much for coming!!” (来てくれてどうもありがとう!)などと歓迎され、普通の客と店員以上の絆を感じた。



 「同じようなことを東北でやりたい」と、ふと思った。未だに不安定な原発の恐れはある。だが、時期を見計らってこのような大きなイベントを東北でできないものだろうか?



 また、わくわくしてきた。

1 件のコメント:

  1. Rie Tsuji2011年4月14日 12:04

    なんと素敵な発想でしょう。実現するようにと心から願っています。日本でも教育関係の研究大会は各教科ものすごい数があります。開催地は数年後まで順番で決まっていることが多いですが、変更の余地や数年後であればまだ予定がたてられていないことも考えられます。柔軟で前向きなお考えの方が各分野のトップでありますように。先生、頑張ってください。私も自分の出来ることは何かと考えて生きていきたいと思います。里枝

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