2011年4月17日日曜日
ニューオーリンズからの祈り ~ 今しかできない教えと学び 2~
ニューオーリンズから帰って来て、ちょうど今日で一週間が経った。学会に参加するための一週間ほどの小旅行だったが、とても刺激的な時間を過ごしてきた。学会発表の他に、1000のメッセージのチラシを配ったり、スケッチブックにメッセージを書いてもらったり、ローカルの教員組合の会合に参加して、2005年のハリケーン・カトリーナによる被害に便乗して進められた公教育の民営化及び教員の集団解雇の悲惨な実情を聴いたり…。また、希望者のために、ハリケーン・カトリーナの爪跡が未だに残る廃墟化した町並みや復興の最前線を周るバスツアーも企画されており、自分にできることのヒントを求めて僕も参加してきた。
ハリケーン・カトリーナによって、市内の80%が水没するという未曽有の被害を受けたその地で、強く感じたこと…。それはニューオーリンズの人々が、日本の苦しみを心の底から分かち合っているということだ。
旅行3日目の朝、印象的な出来事があった。同じく学会に参加していたかおるさん、シンガポールから来たシュリーンとフレンチ・クウォーターを歩いていた時のこと。反対側の歩道で、70代くらいのシスターが立っているのが見えた。車が通るのを待って道路を渡ろうとしているのだろうか。僕らが道路を横断して、彼女の横を通り過ぎようとすると、ふと彼女が話しかけてきた。
あなたたちは日本から来たのですか?
不意を突かれ、一瞬言葉が出なかったが、慌てて、「そうです」と答えた。シンガポール出身のシュリーンのことを忘れて…。すると彼女は、
“At our church, we are praying for your country every day.”
「私たちの教会では、毎日あなたの国のために祈りを差し上げています。」
と、背後にある教会を指差して教えてくれた。ただそれだけを伝えるために僕たちのことを待っていてくれたんだ…。そう思うと、妙に心動かされるものがあった。
あまりにも短かった会話の余韻に浸りながら、僕らはまた歩き始めた。ふと振り返ると、元気に走ってきた子どもたちを教会に入れてあげているシスターの後姿が見えた。
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本当、感動したね。ニューオリンズで知った考えれば考えるほど怖くなる現実。救いはイデオロギー、理論、政治よりも、祈り、アート、友情のような気がする。
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