2011年3月27日日曜日

世界から日本へ1000のメッセージ

この度、コロンビア大学ティーチャーズカレッジの同志と共に始めた 『世界から日本へ1000のメッセージ』 プロジェクトが朝日新聞の27日付朝刊国際面に掲載されました。


『世界から応援メッセージ続々 米の日本人留学生がサイト』





2011年3月26日土曜日

生きること 7 ~寺澤美帆さんから~

たくさんのメッセージをありがとうございます。


とても胸を打たれます。



いてもたってもいられない、今はみんなそうだと思います。

けど私は、この想いのともしびが、

いつか忘れ去られてしまうのではないか、

消えてしまいそうになっていくことがとても怖いです。

それは、もちろん自分に対してもですし、周りの人たちに対しても。



大裕さんのブログのタイトルから引用するわけではないですが、

だからこそ、今こそ本当に、あらゆるツールを駆使してでも、

いろんなことを分かち合うことが大切だと、痛感しています。



どうか、1日でも早く、一人でも多くの方に笑顔と希望が届きますように。

2011年3月25日金曜日

生きること 6 ~ 福島からのメッセージ

3月12日、いても立ってもいられなくなって始めた 『世界から日本の人々へ1000のメッセージ』。地震後、僕らのもとに届き始めた世界の友人たちからの励ましのメッセージを、ティーチャーズカレッジの同志で運営している教育ブログに載せたのが始まりだった。

現在、Facebookに書きこまれたメッセージは既に1000に迫ろうとしていて、ブログへのアップロードが追い付かない状況だ。少なくとも49カ国、5大陸の国々からメッセージが届き、それを少なくとも47名のボランティアとTCの仲間が日本語への翻訳、そして各サイトの運営をしてくれている。

このプロジェクトは、長期的なビジョンのもとに運営されている。世界からの声が被災地で最も苦しんでいる人々にずっと先のこと。日本がしっかりと復興の道を歩み始めた時、くじけそうになった時、背中を後押ししてくれるようにとの想いを込めて、皆が一つになって頑張ってくれている。

そして、いつか、世界から日本へという矢印が、日本から世界へと変わっていけばと願っている。



先日、被災地から初めてのメッセージが届いた。



「私は福島に住んでいます。

祈る想いで、原発の動向を見守っています。

そして、メディアを通して世界中からの応援を受け取り、

深い深い感謝と感動、

そして勇気をいただいて、

涙が止まりません。

私達は頑張ります。

世界中の皆様、本当にありがとうございます。

小さな子供を抱え、不安ばかりです。

でも、頑張ります。

皆様本当にありがとうございます。

この感謝の気持ち、

どうか世界中の方に届きますように。」

             じゅんこ


2011年3月17日 9:08 PM に投稿

世界の想い、日本へ。

日本の想い、世界に届け。



生きること 5 ~元同僚からのメッセージ~

想いを行動に移せるかが勝負ですね。


「あら、今日は学活を見に来てくれている」 と思ったら

後で 「ブログ読んだので、これは行かなくてはと思いました」

と伝えてくれたS氏。

同じ職場に私がどのような言動をしているかと見てくれている同僚がおり、

日々ほどよい緊張感が保たれています。何とも幸せなことです。



生徒と話していて今日気付いたこと。

切実に思ったのは

今、家族の絆があまりにも弱い。

何でもないときに関係をしっかりっと築くことが

とても大切だと感じました。



震災の時は厳しく、誰もが苦しい環境で過ごします。

このときにどれほど大人がしっかりとしているか、

希望を捨てずに、自分たちを守ろうと必死で動いているかを子ども達は

見つめていると思います。



恵まれた環境の中で守れていないことを

究極の状態で行動に移すことは並大抵ではありません。



まずは家庭、そして地域、学校

人とのつながりが生きる力になる。

そんな関係、互いの信頼、愛し愛され

生きていこうという思いが常に溢れていること



仲間がいると実感して生きていること

自分が生きていることを嬉しいと思ってくれる人が

確実にいると実感していること

そんな生きる力を高めていくことが

本当に必要だと思いました。


                        里枝

2011年3月24日木曜日

生きること 4 ~元同僚からのメッセージ~

生きていること

普通に過ごせていることに

感謝の思いを持って

出来るときに出来ることを精一杯に取り組む

そんな姿勢を自分も持ち、

子ども達に伝える時ですね。


喜びも悲しみもつらさも 

人ごとではなく自分のことのように

感じ取れる心を持てるようにと願います。

人として本当の意味で

 「生きる」 ことができるように

熱く生きている大人が

色々な場にいることを日々伝え

生徒や娘、息子の一番近くにいる自分も

そんな大人を目指さなくてはと改めて思いました。

里枝

生きること 3 ~小林美恵子さんから~

卒業シーズンですね。

私自身も、本当に久しぶりの卒業式で、学長先生から手渡された学位記に、特別な重みを感じました。

生きること、いのちを支える現場に飛び立つ私たちです。

こんな時代だからこそ、こんな時だからこそ、福祉・医療の現場に身を置けることを私は尊く感じています。

迷いも、不安もありません。

私は目の前にいる人の健康を支え、一人でも多くの人を笑顔にしたい。

今の自分にできること、それはこれまでの学生生活で学んだたくさんのことを、社会に還元することだと思っています。

そして、無関心にならないこと。

自分の身に降りかからなかった出来事を、我が身のように思い続けることは、きっと難しいことかもしれません。

でも、思い続けること。

寄り添い、考え、行動し続けます。

2011年3月23日水曜日

今後を見据えて 2


*以下は、日本の災害支援活動をしている中で出会った各国の日本人留学生リーダーたちとのメールのやり取りにてシェアさせてもらったものです。『今後を見据えて 1』に続く、今僕が大事にしようとしている長期的な問題意識です。





皆さま、

 Action for Japanの鈴木大裕です。(なんかみんなを繋げる合言葉になりそうでいいですね。)
以前、「今後を見据えて」というタイトルで、We are with JapanのGoogle Groupに、一世紀かかるかもしれない日本の復興を視野に入れた、一つの長期的な視点をシェアさせてもらいました。今日はその続きです。


 以前シェアさせてもらったのは、日本の災害がまだまだホットな話題である今のうちに、ドナーをする側、される側といったラインを引いた関係から、「これは私たちみんなの問題」と思えるような、ラインのない関係を築いていくこと。つまり、早い段階で日本人以外の人々をいかにdonorとしてだけではなく、participantとして巻き込んでいくかがsustainableな支援活動を展開する一つの鍵になるのではということでした。


 その後、我々の大事な使命の一つは、次に起こるであろう災害に備え、災害支援のためのインフラを造ることなのではないかと考えるようになりました。今、我々はそれぞれの活動に携わりながら、多くの壁にぶつかり、学んでいます。その成長の記録を、精査された情報として、またすぐにでも使えるシステムとして残すことこそ、人々の記憶の中に日本の苦しみを深く刻むことになり、将来的に日本をも生かすことに繋がるのではないかと思っています。


 先日、NYUとCUNYの日本人会代表の方たち、Action for JapanのDC大学連盟の人などとお話しをする機会がありました。そこで、上のような投げかけをしたところ、では、災害支援活動のノウハウに関するwikiを作ったらどうかという意見が出てきました。そして、その日のうちにNYUの方が米国における震災支援活動方法に関する情報共有wikiを立ち上げて下さいました。是非ご覧になって頂き、共有できる情報をwikiにてシェアして頂ければと思います。誰でも書き込みのできる状態になっていて、NYUとCUNYの方に情報管理・精査をお願いしてあります。地域情報、大学ごとの情報や、注意を要する点などの項目がありますので、現時点では大学ごとの情報を集約したものを僕の方に連絡頂けると助かります。使い易さ、様々な団体がこれを使えるよう長期的なsustainabilityとflexibility、English Speakerにも使える言語の変換機能を重視していますが、あらゆる面でのコメントをお願いします。ご協力お願いします。


 また、今日、コロンビアに勤める友人たちと話していたところ、とても良いアイディアを出してくれました。僕が、「長期的なフレームで日本を生かす支援活動、しかも学生にしかできないことは何か?」と振ったところ、基金を設立するのはどうかという答えが返ってきました。次に起こるであろう大規模な自然災害のために、今回の日本の大震災をメモリアルにした基金を設立する…。これをAction for Japanの一つの目玉にできたらと思うのですが、いかがでしょうか。現時点では、日本の政府は資金的な援助を国際社会に対して要請していません(http://goodintents.org/)。新聞などでも書かれていますが、海外のNGOからの援助オファーなどに関しても、混乱を避けるために非常に制限した受け入れをしております。だとしたら、この時期に基金を設立するのは非常に理にかなっていますし、様々な企業を巻き込むこと、そして大学の知的財産を活用することにも繋がると思います。災害時の通信用アプリやその他の災害にまつわるInformation Technologyの開発、地震に関する更なる研究、津波情報システムの向上など、基金の規模によっては貢献度も相当高くなり得るかと思います。いかがでしょうか。


 今、日本が世界中の人々から受けている優しさ…そのバトンを次の被災国に繋ぐことが、日本をも生かすことになるのではないかと信じています。

生きること 2 ~元同僚からのメッセージ~

原子力発電所では命をかけて皆のために作業してくれているたくさんの人々がいます。

自分の身を犠牲にして多くの人の命を守ろうと懸命に仕事をしてくれています。

本校では募金活動が始まりました。

しかし、多くの生徒は日々の生活にほぼ変化はなく、勉強、部活がない時間の過ごし方も緊張感や現状への感謝の思いも十分とは言い難いと感じます。

日本に住んでいてもdonorの域です。

私も含めここから抜け出すことが必要であると読んでいて改めて感じました。

何かを伝えなくてはいけない。

今しかできないことを伝えなくてはと思います。

未来を担う子ども達の心が育つように 自分の場で出来ることを精一杯していきたいと思います。

多くの人々がつながり、活動の参加者が増え、持続的な支援活動となることを心から願っています。

2011年3月22日火曜日

生きること

 自分が勤務していた中学校だけじゃなく、今年もいろいろな地で、教え子たちが卒業を迎えた。



そんな中、東北大地震が起こり、多くの方の命と大切な物が奪われた。



 今取り組んでいる日本復興支援活動の中、いろいろな人に優しさと勇気をもらっている。命という最も根本的なところで、我々は皆同じだと教えてくれる。



 今回の活動を通して強く思ったこと、それは、学生、教師、主婦、看護婦、会社員、フリーター…、社会における立ち位置に関係なく、やれることは実はたくさんあるのだということ。もっと言えば、自分にしかできないことが実はたくさんあるのだと思う。そして、それを見つけ、全身全霊で行動した時、人は、「生きている」と感じる。



 先日、野球部の教え子の母親が亡くなったとの知らせを受けた。何度も顔を合わせたことのあるお母さんだった。去年の夏に僕が日本に帰った時、野球部の時の仲間たちが、母子家庭である彼の家に度々立ち寄り支え合っていると聞いた。



 「死」の存在があまりにも身近にある今日、その生徒だけでなく、全ての教え子たちと分かち合いたいこと、それは生きることだ。

2011年3月20日日曜日

今後を見据えて 1

*以下はロンドンで日本の災害支援活動をしているWe are with Japanという団体のメーリングリストにてシェアさせてもらったものです。様々な活動を展開する中で、今、大事にしようとしている長期的な問題意識です。




皆さま、


 NYコロンビアの鈴木大裕です。

今後の展開を見据えて考えていることがありますので、この場でシェアさせて下さい。



 我々が世界全土、様々な形で行っている日本支援活動は、地震と津波だけでなく原発の損壊による放射能漏れの影響も考えると、長期戦になることが予測されます。となると、我々の活動をいかにsustainableなものにするかが一つの大きな課題となるかと思います。



 メールでのやり取り、もしくはネットやメディアによる情報を見ていますと、私がいるコロンビアを含め、現在は日本人が主導となって活動を行っていることがうかがえます。それは至って自然で、望ましいことなのだと思います。しかし、今後はいかに日本人以外の人々をdonorとしてだけではなく、participantとして巻き込んでいくかが大事になると思うのです。このような活動に自分自身が係わって初めて味わうsense of agencyや高まるconsciousnessがあるかと思います。もし、日本復興に何年、何十年とかかるのであれば、今この時期にいかに多くの、幅広い人々に問題意識を共有してもらえるかがキーとなるでしょう。ドナーをする側、される側といったラインを引いた関係から、「これは私たちみんなの問題」と思えるような、ラインのない関係を築いていくことがsustainableな支援活動に繋がることでしょう。“They”から“We”への転換を視野に入れ、日本人以外のボランティアを幅広く巻き込んだ活動していけたら素晴らしいと思います。


鈴木 大裕

日本からのメッセージ

大裕、




3/20(日)16:00。風がおだやかでいい天気です。もう春です。



新浦安の自宅から現状のご報告です。



新浦安地区は断水が続いております。

復旧の目処はたっていません。

電気とガスは使えます。

道路は波打ち、フェンスは倒れ、信号は傾いています。

街中でホコリがたち、泥で学校の校庭も道路も埋め尽くされています。

液状化現象です。

救急車のサイレンが鳴り響いています。



幸い新浦安地区の建物は問題ありません。

建物の倒壊や窓ガラスが割れる等の情報は聞いておりません。



生活ですが、

お風呂は入れませんし、洗顔や歯磨きもできません。手も洗えません。

物がなくて、食事も一日一食から二食、ちゃんとしたあったかい食事は食べられません。

私ひとりですので、給水や食料、食事(炊き出しへの参加)は最小限にして、

多くの人に物が行き渡るようにと思っています。



給水には多くの人が並び、1時間以上、待ちます。

近所の中学校のプールへ水をくみにいって、お風呂にためて、

下水に使っています。水汲みは何往復もします。

お年寄りには辛い作業です。。。

外には、不安そうな子供達やお年寄りがたくさんいます。。。



実家が兵庫県ですので、大地震は2回目になります。

阪神淡路大震災のとき、私は19歳になったばかりでした。

炎に消えてゆく神戸長田の町をみて、涙が止まらなかったことを思い出します。



会社に職場近くの六本木のホテルをとってもらい、六本木のホテルと新浦安を

往復する毎日です。



気持ちは明るく元気にしています。

ちょっと疲れていて、頭痛がしますが、

大丈夫です。ご心配要りません。



ただ、今日をどう過ごすか、私だけでなく、多くの方が精一杯です。

これから、スコップで泥をどけるお手伝いをします。



この地震にあわれたすべて方の心の回復を切に祈っています。



松原 由和

2011年3月17日木曜日

本当の仕事

 随分ご無沙汰してしまった。

 東北大地震が起こってから、こちらNYでも怒涛の日々が続いている。
基本的には我がコロンビアティーチャーズカレッジの日本支援活動の取りまとめ、コロンビアの他のスクール、他大学、他国大学との連携に毎日奔走している。

 たまたま今は春休み中だ。勉強など一切していない。

昔、職員室で事務仕事をしていた僕を見つけるたびに小関先生が必ず放っていた言葉を思い出す。

   「こんなのは仕事じゃない。作業だ。子どもと係ることが俺たちの仕事なんだ。」

 このような惨事がある度に僕らは気付くのだ。

本当の仕事とは何か、生きている意味は何なのか。

小関先生からのメッセージ

 ここ千葉市では、海岸地区に液状化と工場地帯の火災があった程度。
大裕さんの実家周辺も液状化の被害はあったんだと思う。

直接的には、ガソリンの不足は生々しいものがある。

電車も動いたり動かなかったり。

コンビニやスーパーに行っても何もない状態がようやく改善してきた感じ。

原子力発電所の事故に関しては、かなり不安な状態。



 そんな中、学校は給食が配給不可能ということで毎日3時間授業で終わり。

本校は部活動も21日まで中止。

 余震の心配も合わせてということだけれども、こんな時こそ、本当の教育活動をしたいと思う。現状を様々な角度から教師が語り、子どもたちに考えさせたい。

地震や津波など、人間に力ではどうにもならない自然の力について、

今、自分達がやるべき事について、できることについて…



人間が人間のために努力する姿、協力する姿。

我慢すること、希望を捨てないこと…。

弁当持ちにしてでも、勉強をさせたいと思うべきじゃないのか?そう思う。

2011年3月13日日曜日

海外にいる我々にできること

現在海外で学ばれている日本人留学生の皆さま、




 大震災のことが気になっていても立ってもいられない人も少なくないことと思います。アメリカにいる我々にできることは限られていますが、何かできることをしませんか?



 今、コロンビア大学ティーチャーズカレッジの日本人留学生を中心に、様々なイニシアティブを立ち上げています。賛同して頂けるようでしたら是非参加下さい。



1. World's 1000 Messages for JapanというFacebookページを作りました。これからはこのサイトではなく、そちらのページで東日本大震災に関することを発信していきます。



皆さまのもとにも世界中の人々から日本の人々へのお悔やみと励ましのメッセージが届いていることかと思います。それを自由に書き込んで日本に向けて発信しましょう。



海外の地震関連の報道で、donationの動きなど、encouragingなものもたくさんあります。そのようなリンクをシェアして頂ければありがたいです。ご友人たちにも広くinvitationを出して頂きますようお願いします。



2. Twitterアカウントを作りました。Facebookのページに書き込まれた世界中の人々からのメッセージが一つひとつfollowerに届くようになっています。Twitter accountをお持ちの方は是非フォロー頂き、リツイートお願いします。これらのメッセージは、『世界から日本の人々へ1000のメッセージ』というブログでもご覧になれます。



3. 他に、アメリカに限らず、海外の大学で勉強される友人や、その他の在外日本人ネットワークを持っていらっしゃる方は、このメッセージを自由に転送して下さい。他の組織との連携等、やれることをやりましょう。募金等、新しいアイディアも募集中です。



4. Fundraisingイベントを行います。企画、運営、パフォーマンス等、どのような形でも良いので、参加頂ける方は連絡下さい。



海外にいる我々にもできることはあります。日本の人々と心を一つにしていきましょう。

2011年3月9日水曜日

卒業する君たちへ

熱く生き、感動に満ちた人生を!!

君たちの卒業を遠くから祝福しています。

おめでとう。

 

                                  鈴木大裕






2011年3月5日土曜日

3年生を送る会、ニューヨークからのメッセージ。

MHG中学校3年生の皆さん、

 ご卒業おめでとうございます。この度、ビデオメッセージを送ることができないので、この場を使って僕からの祝福のメッセージを贈りたいと思います。


 僕は今、アメリカのニューヨークにある大学院にいます。日々、世界中から集まった学生や有名な教授たちと、どうやったら教育を良くできるのかということについて考えています。僕が体育館のステージで君たちにサヨナラを言ってからもう3年が経とうとしています。


 僕が君たちと過ごしたのは2008年の4月から8月までのたったの4ヶ月間。そう思うとちょっと信じられません。英語の授業や、給食、昼休み、委員会や部活動などで、とても密の濃い時間を共にできたような気がしています。一人ひとりのこともよく覚えています。






 さて、君たちも良く知っているサッカー日本代表の本田圭佑選手が、


 「どうして不動のポジションを築いていたオランダからわざわざロシアに移ったのか?」


と訊かれてこんなことを言っていました。


 「常に自分にとって厳しい環境に身を置くことが大事だと思うから。」


 これは、言いかえれば、ちっぽけな想いをたくさんすることなのではないかな、と僕は思っています。一つの環境で一番になれたところで、上には必ず上がいます。自分にとって居心地の良いその場所でぬくぬくと過ごすのと、あえてもっと厳しい環境に移って一から始めるのとでは天と地の差があります。


 僕は、そうやって、ちっぽけな想いをたくさんすることが人を大きくするのだと信じています。自分に与えられた環境で満足することなく、厳しい環境を追い求め続ける。きっとそんな問題意識を持っている人は一生謙虚でいつづけ、走り続けられるのではないかなと思います。


 中学校卒業後、君たちは、それぞれの道を歩みます。新しい環境にて、ちっぽけな想いを楽しんでください。そして、いつかどこかで、ひとまわりもふたまわりも大きくなった君たちと会えることを楽しみにしています。






2011年3月吉日、 鈴木大裕。