2011年3月23日水曜日

今後を見据えて 2


*以下は、日本の災害支援活動をしている中で出会った各国の日本人留学生リーダーたちとのメールのやり取りにてシェアさせてもらったものです。『今後を見据えて 1』に続く、今僕が大事にしようとしている長期的な問題意識です。





皆さま、

 Action for Japanの鈴木大裕です。(なんかみんなを繋げる合言葉になりそうでいいですね。)
以前、「今後を見据えて」というタイトルで、We are with JapanのGoogle Groupに、一世紀かかるかもしれない日本の復興を視野に入れた、一つの長期的な視点をシェアさせてもらいました。今日はその続きです。


 以前シェアさせてもらったのは、日本の災害がまだまだホットな話題である今のうちに、ドナーをする側、される側といったラインを引いた関係から、「これは私たちみんなの問題」と思えるような、ラインのない関係を築いていくこと。つまり、早い段階で日本人以外の人々をいかにdonorとしてだけではなく、participantとして巻き込んでいくかがsustainableな支援活動を展開する一つの鍵になるのではということでした。


 その後、我々の大事な使命の一つは、次に起こるであろう災害に備え、災害支援のためのインフラを造ることなのではないかと考えるようになりました。今、我々はそれぞれの活動に携わりながら、多くの壁にぶつかり、学んでいます。その成長の記録を、精査された情報として、またすぐにでも使えるシステムとして残すことこそ、人々の記憶の中に日本の苦しみを深く刻むことになり、将来的に日本をも生かすことに繋がるのではないかと思っています。


 先日、NYUとCUNYの日本人会代表の方たち、Action for JapanのDC大学連盟の人などとお話しをする機会がありました。そこで、上のような投げかけをしたところ、では、災害支援活動のノウハウに関するwikiを作ったらどうかという意見が出てきました。そして、その日のうちにNYUの方が米国における震災支援活動方法に関する情報共有wikiを立ち上げて下さいました。是非ご覧になって頂き、共有できる情報をwikiにてシェアして頂ければと思います。誰でも書き込みのできる状態になっていて、NYUとCUNYの方に情報管理・精査をお願いしてあります。地域情報、大学ごとの情報や、注意を要する点などの項目がありますので、現時点では大学ごとの情報を集約したものを僕の方に連絡頂けると助かります。使い易さ、様々な団体がこれを使えるよう長期的なsustainabilityとflexibility、English Speakerにも使える言語の変換機能を重視していますが、あらゆる面でのコメントをお願いします。ご協力お願いします。


 また、今日、コロンビアに勤める友人たちと話していたところ、とても良いアイディアを出してくれました。僕が、「長期的なフレームで日本を生かす支援活動、しかも学生にしかできないことは何か?」と振ったところ、基金を設立するのはどうかという答えが返ってきました。次に起こるであろう大規模な自然災害のために、今回の日本の大震災をメモリアルにした基金を設立する…。これをAction for Japanの一つの目玉にできたらと思うのですが、いかがでしょうか。現時点では、日本の政府は資金的な援助を国際社会に対して要請していません(http://goodintents.org/)。新聞などでも書かれていますが、海外のNGOからの援助オファーなどに関しても、混乱を避けるために非常に制限した受け入れをしております。だとしたら、この時期に基金を設立するのは非常に理にかなっていますし、様々な企業を巻き込むこと、そして大学の知的財産を活用することにも繋がると思います。災害時の通信用アプリやその他の災害にまつわるInformation Technologyの開発、地震に関する更なる研究、津波情報システムの向上など、基金の規模によっては貢献度も相当高くなり得るかと思います。いかがでしょうか。


 今、日本が世界中の人々から受けている優しさ…そのバトンを次の被災国に繋ぐことが、日本をも生かすことになるのではないかと信じています。

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