2012年6月22日金曜日

Edu4 ~ 一期一会 ~



*この投稿は、Edu4 ~僕らのビジョン~』の続きです。



バンクーバー2日目、パートナーのAndrewと僕は、朝から精力的に活動した。



僕らがバンクーバーで参加した最初の学会、American Association for the Advancement of Curriculum Studies (AAACS) の舞台となったのはUniversity of British Columbia (UBC)。宿泊させてもらっていた僕の友人Damian(デイミアン)の家からバスで20分くらいのところだった。Damianとは、僕が教えていた千葉市の中学校に、彼がAssistant Language Teacherとして赴任した時からの仲だ。日本にいた間はよく我が家に飲みに来ていたし、NYの家にも泊まりに来てくれた。



その日、最初に出たのは、昨日僕らのシンポジウムに参加してくれたRetaTheodorea、そして Edu4 のビデオインタビューに応じてくれる予定のJimだった。皆、アメリカ南部の大学で教鞭をとる教育学者たちだ。



プレゼン中、Retaが最後にこんなことを言った。



私達はこうして現体制を批判し、怒りを綴ることはできるけど、私達の学術的な取り組みからどんなアクションが生まれるのかということまで考えていく必要がある。



そう言い終わった後に、彼女は会場の後方にいる僕たちの方を指してこう言ったのだ。



「だからそこにいるDaiyuたちのEdu4という取り組みに深い感銘を受けている。」



皆が僕らの方を振り返った。突然のできごとに驚いたが、僕らは皆に軽く手を振った。



プレゼン中に僕らの活動を紹介してくれるという粋な計らいに、僕らは感激した。何という宣伝効果だろう。



Jimとは事前にメール交換はしていたが、実際に会ったことはなかった。Retaの紹介によって、僕の名前と顔がやっと繋がったという様子で、笑顔でアイコンタクトを取ってくれた。



プレゼン終了後、僕らは会場の前方にいるプレゼンター達に挨拶に行った。



最初にJimの所に行き、やっと会えたねと固い握手を交わした。彼は改めてEdu4の活動に敬意を表し、できることなら何でも協力すると言ってくれた。



次に、Retaにお礼を言い、逆に彼女からお礼と共に励ましの言葉をもらった。



そして、Theodoreaからは、驚きのオファーがあった。



それは、彼女が会長を務めるCritical Race Studies in Education Association (CRSEA) 5月にTeachers Collegeで行う学会に、我々Edu4を招待したいというものだった。



僕らは、喜んでそのオファーを受けた。







幸運な出会いはその日の午後も続いた。



UBCのキャンパスを歩いていたら、Teachers Collegeにおける僕のデパートメントアドバイザーのMolly Quinnと出会い、昼間だというのに一緒にいた彼女の友人たちと共に一杯引っかけに行くことになった。



MollyLouisiana State University時代の William (Bill) Pinar William (Bill) Doll の教え子。彼女と一緒にいたのは全て彼らを師と仰ぐ若手の学者たちだった。PinarDollは教え子を大事にすることでも知られている。長年をかけ、大きく、結束の強いファミリーを築いてきた。



飲みながら、一人一人とEdu4について話をすることができた。AAACSのウェブ担当のWalter, University of Ottawaで授業を使って学生による教育関連のサイト運営をしているNickなど、様々なアドバイスを受けることができた。



もう一人のSarah Prattからは、またしても願ってもないオファーをもらった。金曜日に、同じくバンクーバーで始まるアメリカ最大の教育学会AERAにて、彼女が代表を務めるChaos and Complexity Theories SIGの集まりに来て発表しないかというものだった。実は、彼女のSIGのメンバーの一人が、グループとしてのEdu4への参加を討議しないかと、既に彼女にもちかけていたのだ。



もちろん快諾した。



その日最後の活動として、僕らはAAACSの全体会議に参加した。そして、僕の博士論文のアドバイザーであるJanet Miller教授の取り計らいで、一番に発表させてもらえることになった。



部屋一杯の学者たちの前で僕らは熱くEdu4を語り、資料を配った。



この日は、僕らにとって本当に大きな一日だった。僕らは、自分たちのビジョンに対する確かな手応えと、コミュニティーの広がりを実感した。



Edu4が一つのムーブメントになる予感がした。



(続く…)

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