2012年7月29日日曜日

シングルファーザー日記③ ~ たどり着いた答え ~


次の日、僕は新米パパ丸出しのように、ワクワクして愛音を迎えに行った。学校に着くと、僕と美風を見つけた愛音が、「パパー!!」と言って僕の胸に飛び込んできた。お弁当の効果はてきめんだった。



おいしかった?と訊くと、愛音は「うん!!」と大きな声で答え、「でもね、少しだけ残しちゃった。ごめんねぇ。」と眉をしかめて申し訳なさそうな顔をした。



男なんて単純なものだ。次も頑張ろうとすぐに心に決めた。美風も喜んで食べてくれたようだ。



 結局、3週間、弁当はほぼ毎日作った。ただ、2週間目の真ん中らへんに、わざと一日休みを入れ、お弁当を持っていけることが当たり前じゃないことはちゃんと教えた。



最後の方はだいぶ手馴れてきた。ノリ弁当が意外に好評だったので、多少時間が節約できるようになった。子ども達のリクエストで、「手巻き寿司」なんていう変な弁当もやった。



なんてことはない、海苔、寿司ご飯、きゅうり、シーチキン、アボカド、蟹もどき、おかかを別々に容器に入れたものを持たせるだけだ。どうやら自分達で巻くのがどうにもスペシャルに感じるようだ。



ちょっと娘達のツボがわかってきた。



まずはお弁当包みがかわいいこと。中身の色合いがきれいなこと。いろんな種類のものが入っていること。デザート(といってもフルーツ)とスナックも入っていること。そのスナックは個別にパッケージされていること。(人気はスティックチーズやレーズンの小箱だった。)そして手巻き寿司のようにちょっとしたゲーム性があること…。



 なんだ、要はお子様ランチじゃないか。



(続く…。)

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