2009年11月3日火曜日

私の夢 ~M.K.さんから~

私の大好きな海です。
疲れた時、背中を押してもらう勇気がほしい時、
自分の気持ちを整理したい時、私は海へ行きます。



こんばんは。

ブログにおじゃましたM.Kと申します。

語りかけられるメッセージにつられて、メールをしました(笑)





私の夢はひと言でいえば、

「手の届く距離、顔の見える場所で自分にとって大切な人の命を守りたい」という

ところからスタートしました。





今から10年ほど前、私が二十歳のころに父が病気で亡くなりました。

当時親元を離れて学生生活を送っていた私は、父が治らない病気だと

知りながらそれを受け入れられず、会うたびに痩せていく父を見るのが

切なくて、泣き顔を父に見せて心配をかけるのが嫌であまりお見舞いにも

行けずにいました。最期の時が近づき、自分の死期を悟った父は私と

二人きりになった空間で優しく、でも強く語りました。





「お父さん、もうダメみたいだからさ。

本当はもう少し生きたかったけど。わがままは言わないけど、あと10年

生きたかったけど。あと10年生きて、お前たちの将来を見たかったけど。

お父さんがいなくなっても、あんまり悲しまないでね。

世の中には、どんなに頑張っても変えられないことがある。だから、頑張り

すぎないで好きなことをしたらいい。笑顔を大切にしなさい。」





涙が止まらない私をみて、体を起こすことさえもつらかったはずの父が

立ち上り、笑いました。本当に強い人だなぁって思って。そして、どうして

もっとたくさんの時間を共有しなかったのかと後悔しました。残された時間

が分かっていたのに、もっとそばにいればよかったって。





父の最期の瞬間は、命はそう簡単に終わらないことを私に教えてくれました。

痛みに苦しんで、苦しんで、私たち家族は父の苦しみが早く終りますように

って願うことしかできず。でも、命は最後の最後まで生きようと必死だったんだ

なと。いのちって尊いなって思いました。





それから私は当時の大学で死生学について文献をたくさん読み、

「世代間における死生観の違い」について卒業研究をしました。





そして死について考えることは、今をどう生きるのかということに

つながるのだと実感しました。「死」が否定的に語られることの多い

世の中ですが、私は人生が有限であることに意義があると感

じています。不老不死なんてとんでもない。文明が発達し、医療が

発達し、いつか人が死ななくなる時代が来るとしたらそれは人としての

心を失うことにも等しいことなのかもしれないと、私は思います。

今日という日を大切にできず、自分の命も、誰かの命も大切にできず、

いつまでも、いつまでも今日と同じ明日が来ると思ってしまうのでは

ないかと。





父が亡くなってから、いつかは死が避けられない末期の患者さんの身体と

心の支えになれるような仕事がしたいと漠然と思いながらも、どうしていいか

分からず地元の地方公務員を受験し、地元に帰ってきました。大学で心理学

を学び、子どもに関わる仕事がしたいと考えていた私は児童福祉の現場に

携わることになりました。そこで出会った子どもたち、そして大人たちが私の

人生を変えてくれたのだと思います。福祉の現場に携わり、人と向き合い

手の届く距離で、顔の見える場所で相手のことを一生懸命考える仕事に

私はハマっていきました。それと同時に、死を避けられない人々の支えに

なれる仕事がしたいという思いもどんどん強くなりました。そして、人の身体、

病気のこと、そしてケアすることを学びたいと思い、看護の勉強をしようと

思いました。





現在、看護大学の3年生です。


勉強のお供のコーヒー。




人の身体について、病気について学べば学ぶほど感じることは、

「病気は治してもらうものではなく、健康は自分で守るもの」

自分の身体にみんなもっと責任を持って生きていかなきゃいけない

んじゃないの?ってことです。







 「私たちの身体には約60兆個の細胞があります。

60兆個ってどのくらいの数か想像できますか?

たとえ話をすると、今この地球上には、60億ちょっとの人間がいます。

たった60億ですよ。そのたった60億人しかいない人間たちが

争いあったり、奪い合ったり、憎しみ合ったりして、

結果として今この地球は平和ではありません。

それが私たちの身体の中では60兆個もの細胞がお互いに協力し合って

私たちを生かしてくれているのです。

すごいでしょう。私たちの身体ってすごいんです。」







ってある先生に教えてもらって、私、本当に感動しました。

すごいなーって。

それで、育ち盛りの子供たちの細胞ってもっともっとすごくて、

どんどん成長するんですよね。もう、自分のからだって宝物だなと思って。

それで、私たちは子どものころに、もっともっと自分のからだについて

学ぶ必要があったんじゃないかなって思うようになりました。






だから、今の私の夢は、これから大人になる子どもたちに、

私たちの身体ってすごいんだよ!!ってことを伝えたい。



そして、自分の身体に愛おしさを持ってもらいたい。

そんな風に考えてます。





現在は実習中で、生まれたてほやほやの赤ちゃんから、99歳のおじい

ちゃんまで本当に色々な患者さんに出会い、ケアさせていただいています。

毎日が楽しくて、日々を重ねることが楽しみで仕方ありません。




うまくまとまりませんが、29歳の私の夢、語りました!!

10 件のコメント:

  1. MKさん、
     
     分かち合いの扉をたたいてくれてありがとうございます。MKさんの素直な文章に心洗われる想いをしました。また、自分の夢やお父様のことなど、パーソナルなことまでシェアしてくれた勇気に感謝します。MKさんの熱い想い、これを読んでくれている教え子だけじゃなく、幅広い読者にきっと伝わりますよ。
     おかげさまで今日もいい日になりそうです。

         心をこめて、

               大裕

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  2. MKさん
    体の細胞をつかって自分を大切に思うこと、
    世界の見方が変わると伝えられるのは、とても感動。
    自分の体験に裏付けされ、
    その上に重ねた学びによるものだからこそ、
    どしんと伝わるのでしょうね。

    学校へのゲストティーチャーとしても、
    大いに活躍して欲しいですね。

    大裕さんの言葉の力が、
    大勢の人の気持ちに届き、
    さらに新しい思いがのせられて、
    広がりになるんですね。

    AKI

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  3. 大裕さん
     夢は自分の中で大切に大切に温めることも必要だけど、叶えたい思いは言葉にして、具体的にイメージすることで初めて形にできるものだと最近思っています。
    だから、この場で大胆に発信させてもらって、自分をもう一度奮い立たせてもらえました。
     言ったからには、後には退けない感じです(笑)がんばります。


    明日もいい日になりますように。

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  4. AKIさん
     はじめまして。コメントありがとうございました。
    オンラインで夢を公表しちゃうなんて、大胆なことしたなーと思っていたけど(笑)、こうやってメッセージをいただけると、温かい気持ちになりますね。
     
     身体の事や、病気のことはもちろんですけど、色々なことを学べば学ぶほど世界の見方はどんどん変わりますね。
    昨日とは違う自分が今日を生きること、ちっぽけかもしれないけど、細胞は日々変化していて、変化するっていうことが生きている証なんだって思うようになりました。

    生きることは、奥が深いです。

    ありがとうございました。

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  5. MKさん、
     
    >細胞は日々変化していて、変化するっていうことが生き>ている証なんだ

    美しいなぁ。この言葉、とても心に響きます。以前『自由について』(http://daiyusuzuki.blogspot.com/2009/08/blog-post_31.html)でも書いたJohn Deweyの自由の定義と深く関係しているような気がします。MKさんが先生から教わったように、「平和」だったり、自由だったり、人間が果てしなく問い続けてきたものの真理は、実は自分の体という我々に最も身近な所にあるのかもしれないですね。本当に、深いなあ。
     またまた明日もいい日になりそうです -^o^-

       大裕

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  6. MKさん

    はじめまして。
    MKさんのコメントにとても心を打たれました。
    そして、MKさんの考え方の根底にある深い愛に触れられた気がして、とても心温まる思いです。

    人間がいかに奇跡的な存在で、またその細胞や遺伝子がどれだけ信じられないような精度でハーモニーを実現して一人の人間という存在を成り立たせているかということは、私も非常に関心を持っています。

    筑波大学名誉教授で遺伝子学の権威である村上和雄氏も「スイッチ・オンの生き方」(致知出版社)という著作において科学的な見地から細胞や遺伝子がいかに偉大な存在であるかを克明に記述しています。

    “私”や“あなた”という一人の人間がこの世に存在していることは奇跡以外の何物でもなく、もっと言うと、宇宙や地球の存在自体が、とんでもない確率の上に存在している奇跡だということを強く感じられます。

    それでも人間は日々の苦悩や不満や不安に苛まれて生きて行かざるを得ない存在。夢を公然と語って夢を追い求めることすら憚れてしまい、他人からの批判に怯えながら日々を送っているというのが現実ではないでしょうか?

    そんな折、先日新聞にサッカーの「キング・カズ」こと三浦知良氏が寄稿した記事にとても心を打たれました。タイトルは「批判されて強くなる」というものでした。以下、一部引用します。

    ~ある段階で、批判も褒められることもすべて背負えるようになる。誰だってたたかれるのは嫌だ。でも批判を受けていたかいないかで、逆境のときに乗り越える強さが変わってくる。~

    ~経験から言えば、いいことしか言われない時期は「まだまだ」なんです。悪いことも言われて初めて一流に近づく。それを越えてこそ超一流じゃないかな。~

    ~言うよりも言われる方がいいよ。僕は何かと言われていたいね。ずっと。~

    数々の困難を乗り越えて今なお現役を続けるカズの言葉だからこそ、胸に響く言葉ですね。

    自分もこのようでありたい、と強く思った言葉です。

    MKさんにも強く夢を追い続けて、実現して欲しいと願っています。

    先日メジャーリーグでワールドチャンピオンを勝ち取り、MVPに輝いた松井秀喜も私と同じ35歳。彼から勇気をもらいながら私も頑張っていきたいと思っています!


    佐藤新吾

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  7. 大裕さん
    『自由について』のJohn Deweyの自由の定義読んでみました。「我々は変わることができる」って、そこは個人の気づきの問題なんでしょうね。
    細胞が変化しているって、それこそ目にはみえないですけど、1週間とか1ヶ月とか1年間とか長期的な視点に立つと、たとえば爪が伸びたり、髪の毛が伸びたりっていう具体的な変化もわかるし、それからできなかったことが出来るようになってたりするわけですよね。
    それって、変化=成長って呼ぶんだと思ってるんですけど。変化することによって失うものの、得るのものあるけど、それがやっぱり生きているっていう証なのかな?
    細胞的に言うと「変わらずにはいられない」のが私たち生き物の宿命だと思います。

    MK

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  8. 佐藤新吾さん
    新吾さん、はじめまして。
    コメントありがとうございました。

    私本当は難しいことが苦手で細胞とかDNAとかまったく興味なかったんですけど(笑)私たちがどうやって生きているのかっていうことを学ぶ上で無視することのできない大切なものなんだって気づいて、私たちの身体の偉大さに感服しているところです。

    村上和雄さんの「スイッチ・オンの生き方」図書館行って探してみようと思います。ご紹介いただきましてありがとうございます。
    あ、それからカズの言葉も。私もカズさんの言葉、すっごく共感しました!!私もこの年になって色々言われるんですけど(笑)なんていうか、いつくになっても叱ってくれる人がいるってありがたいなーって思います。

    メジャーの松井さんの活躍も、本当に嬉しかったですね!!やりたいことをする、なりたいものになる、言葉にすると簡単ですが、努力あってこその成功だったんだと思いました。35歳の新吾さんの経験値にはまだまだ追いつけませんが、私も頑張りたいと思います。
    お互い、頑張りましょう。ありがとうございました。

    MK

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  9. MKさん、
     一つ一つのコメントに対する丁寧なコメントバックありがとうございます。MKさんの人柄が伝わってきますよ。
     さて、ここでのMKさんとのやり取りから、また一つエッセイが産まれそうです。

    >細胞的に言うと「変わらずにはいられない」のが私たち>生き物の宿命だと思います。

    というMKさんのコメントから、細胞的な変化と精神的な変化にはどのような区別、またはつながりがあるのかということについて考えています。

    「変わらずにはいられない」のは、我々の体だけなのか。そう感じてしまうのはなぜなのか?などなど。長くなりそうなので、できたら発表しますね。

     もしかしたら、今こうしてあれこれ考えていることが、僕の今日の変化なのかもしれません。

       ありがとう、
              大裕

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  10. MKさん、

    コメントバックありがとうございます!!
    私の発信が少しでもMKさんの役に立てたことがうれしいです。

    私もまだまだ悩みと勉強の道中ですが、今度自分の夢を発信しようと思っています。

    うまくまとめられるか自信ありませんが、まず発信することが第一歩だと、私もMKさんに教えてもらいました♪

    一緒にがんばりましょうね!


    佐藤新吾

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