思い返せば、去年の夏もかつての教え子から大きな学びの機会をもらった。2008年に教員を辞めて早3年の月日が経過したが、今になってようやくわかること、今だからできることがたくさんある。教えにも学びにも完璧はない。
前回再投稿した 『不登校から日本一』 に出てくる卓球の福原愛ちゃんの話、読んで頂けただろうか。
あれを書いた僕の理解は不完全だった。小関先生が若手にあの話をする度に、僕はわかったつもりでいた。若手があきらかに間違った答えを返すと、小関先生は決まって僕に模範解答を求めた。僕はいつも、先輩らしく若手に正解を提示した。でも、今考えると、先生に振られる度に、模範解答と理由を記憶の中から掘り起こしている頼りない自分にどこかで気付いていた。
おそらく、僕にとってこの夏最大の気付きは、「福原愛ちゃん」が実は自分のクラスにいたということだった。それは「丸」という8年前、僕のクラスにいた一人の女の子だった。
8年…。この時間をどう理解したらよいのだろうか。
僕にとってそれは、丸に会いたいと思えるようになるのに要した時間だった。今だったら、自分の至らなさを心から謝れる、今だったら「大人」の余計な見栄を張らずに素直に彼女から学べる…。初めてそう思えたのだった。
今年の夏、丸と何年かぶりに再会し、飲みに行った。僕の方から連絡を取り、実現したものだった。丸と会った夜、小関先生から一通のメールを頂いた。
「心洗われたか? -^_^-」
いろいろ考えたあげく、一行の短い返事を出すことにした。
「今日、初めて丸と会話をしました。」
(続く…)
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