2011年8月25日木曜日

全てデタラメだった ~丸 7 ~

その頃の丸はと言えば、派手でちょっと危なっかしい女の子たちが集まったグループに入り、その子たちを中心にクラスの女子をまとめていた。



それは、僕の手伝いをしようというわけではなく、ただ小関先生の方だけを向き、自分の意志で勝手にやっていたのだと思う。丸にすれば、僕が邪魔だったに違いない。あのまま僕が手放しで丸のやりたいようにやらせていれば、きっとかかあ天下のクラスを作っていたのではないだろうか。実際、剣道で関東レベルの活躍し、クラスでは女子から信頼され、胆の据わった丸に男子も一目置いていた。2008年、僕が留学のために退職する時に、クラスだけじゃなく学校の番長格だった大山を引き連れ、花束を持って挨拶に来たのも丸だった。



今考えれば良くわかることだが、あの時の僕は自分が男子と勝負することによって、逆に彼らを勢いづかせていたに違いない。



もし、今、僕があの3年B組をやり直せるとしたら、きっと僕は丸に全てを任せていただろう。



「丸、全ておまえに任せたぞ。やりたいようにやってくれ!」



きっとそんな感じだ。そうしたら僕は一匹狼だった や不登校の子、元気の良い子たちの影に隠れて日頃目立つことのなかった子たちに集中できたことだろう。



自分はなんてバカだったのだろうか。



今考えれば、3Bは本当に面白いクラスだった。卒業間近になって、僕が親しみを込めて「暴れん坊3B」 と呼ぶようになったそのクラスは、こう言っちゃ悪いがバカを寄せ集めたクラスだった。ただ、その分他にはないバイタリティーと勢いがあった。お祭りごとが好きで、実は熱く、センチメンタルで、一生懸命何かをやりたい子が揃っていたように思う。彼らのエネルギーを抑えることではなく、生かすことに集中していれば、きっとものすごいクラスになっていたことだろう。



3Bのみんな、申し訳ない! 一生懸命やったつもりだが、全てデタラメだった!!



(続く…)

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