過去2回に渡り、様々なメディアで報じられているOccupy Wall Street (OWS) 運動の共通点について書いてきた。最近特に目立つのは、政府との衝突が増えていることだ。
先月、10月1日、ニューヨークではOWSのデモ隊がブルックリン橋を行進。それに対して、NY市警は実に700人を逮捕するという過剰とも思える措置で対応。アメリカ史上最大級の一斉逮捕となった。
そして、mmさんが 『Occupy Wall Street最大の意義』 に対するコメントで書いてくれたように、最近はこの平和的(非暴力)運動に対する ‘police brutality’ (警察の暴力的弾圧)がニュースの一面を飾ることが多くなっている。
10月25日にはカリフォルニア州オークランドのデモで、イラク戦争退役軍人のScott Olsenが警察隊から撃ち込まれた物体を頭に受け、頭蓋骨骨折の重傷を負った。
11月15日の ‘Liberty Plaza’ テント村の強制撤去については既に書いた通りだ。
以下はUniversity of California-Davis校でのペッパースプレー事件の動画だ。
ただ座りこみをしているだけの大学生たちに対してペッパースプレーを吹きかけるというこの事件は、全米を震撼させた。結果的に、警官2人が停職処分になったという。
なぜ政府はこれほどまでに重厚な警戒態勢をしいているのだろうか?
アメリカ国内でも、未だに多くの人々がOccupy Wall Streetを取るに足らない運動と見ている。しかし、これらの政府や警察の過剰反応こそがこの運動のポテンシャルを何よりも示唆しているように思う。
以前 『日本への警告』 で紹介した『ショック・ドクトリン』の著者、ナオミ・クライン(Naomi Klein)は、ガンジーが示した非暴力民衆運動が成功する道筋を引き合いに出して、この運動の行方を占っている。
ガンジーは言った。
“First they ignore you, then they laugh at you,
then they fight you, then you win.”
「権力者たちは最初は無視し、次に嘲笑い、最後には闘いを挑んでくる。
そうなったらもう勝利はこちらのものだ。」
Occupy Wall Streetが正しい方向に進んでいることは言うまでもない。
警察の横暴な行動により、より団結力が生まれてアクションが広がりそうですね。大裕さんの記事で少しずつ見えてきました。ウオール街を占拠してもウオール街の機能を停止させることはできない。でも、そこで政治経済の中枢を握っている人たちに心理的なプレッシャーを与えることはできる。
返信削除10年前の貿易センターのショック。ビルの機能を停止させた以上に、アメリカの心理的なダメージの方が大きかったと思います。
このアクションが、取引や契約最優先のアメリカ社会に、何らかのいい方向に動きだすきっかけになることを祈っています。それが、教育界にもいいこととなって波及すると思います。
musapooさん、
返信削除コメントありがとうございました。
剣道をやっていらっしゃる3人のお子さんはお元気ですか?寒稽古のポスト(http://musapoo.exblog.jp/14716030/)を拝見し、小関先生に連れて行って頂いた埼玉大学の壮絶な寒稽古を思い出し、懐かしくなりました。相変わらず素敵な写真をお取りですね。
ウォール街の件、僕もこれを機にアメリカが今とは違ったキャピタリズムの在り方を目指し、それが教育にも良い方向へと繋がっていけばいいなと思っています。Paulo Freireが言う、「愛しやすい世界」へ少しでも近付けばな、とそう願います。
大裕