2011年8月23日火曜日

どうか見ていて


 昨日、末期の脳腫瘍と闘っているMr. Walkerに手紙を出した。既に字を読めなくなった先生が、見て楽しめるようにと思って買った、金色の小さな扇子が飾られた和風のはがき。






 Mr. Walkerには、てきとうなことは書けない。Holderness時代に教わったように、一語一語、丁寧に言葉を選んだ。






Dear Mr. Walker,


What gives me the courage and strength to keep going is the responsibility I feel toward your teaching and the fact that you believed in me. Watch me where I take the baton passed by you.

Daiyu



(ウォーカー先生、


僕がこうして頑張れるのは、あなたが僕の可能性を信じてくれたから、そしてそんなあなたの教えに報いたいと僕が感じるからです。あなたから引き継いだバトンを僕がどこまで持っていくか見ていて下さい。


                          大裕)

 
 封を閉じる前、ふと思い、believedをbelieveに変え、最後のピリオドの代わりにビックリマーク(!)を二つ付けた。







近くの店で切手を一枚買い、1時の郵便回収に合わせて投函した。






 Mr. Walkerの息子さんから彼の死を伝える電話をもらったのは、その日の夕方のことだった。










3 件のコメント:

  1. 辛いですね。お気持ちお察しします。

    私は2月末に亡くなった先生の本を何冊ももらってきたばかりです。私のこの先生との関わりは2005年からだったので、ずっと短いのですが、学者として非常に尊敬していた先生でした。

    先生とのふれあいの中で学ばれたことを今後も生かすことで先生を偲ばれることができるといいですね。

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  2. 心から可能性を信じてくれる人がいる。それに応えたい。その方の喜んで下さることが何より嬉しい。そう思えた時、人は強くなれる、自分の限界と思っていたところを超えることができる。そのように、やっと思えるようになってきました。大裕先生の思い、ウォーカー先生には届いていたことでしょう。ご冥福をお祈りいたします。ご家族の方が目にしたとき、その感動、ウォーカー先生の成してきたことの大きさが伝わることでしょう。金色の小さな扇子、教師として、最高に嬉しい贈り物だと思います。そのように、思いをぴったりな言葉で表現できる大裕先生、すごいです。目の前の子ども達の可能性を信じ、伝え、力を引き出せるような教師をめざしていきます。これを成し遂げることは容易ではありませんが、諦めずに取り組んでいこうと思います。辻

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  3. そのメッセージと金色の扇子は先生に届いたでしょう。He must be so proud of you and will continue to support you.

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