2009年8月24日月曜日

小関先生 2 ~狂い始めた計画~

野球部の生徒たちと


 小関先生との出会いが、教員になる前に立てた計画を一つずつ狂わせ始めた。
 
中でも一番大きかったのが、スパイとなって研究者の客観的な目で現代の子どもたちと教員を観察することだっだ。

教員の仕事にこんなにはまるとは思ってもいなかった。子ども達と教員の仕事に頭からどっぷりとつかり、客観性と呼べるものは全て失ってしまった。

教員でいるのも、最長でも3年と思っていた。その後はまた大学院に戻るつもりだった。結局、区切りをつけるのに7年近くもかかってしまった。

また、自分が思い描いた教員像はこうだった。いつもスーツをきちんと着てクールな英語教師…。

現実には、常にジャージを着て休み時間には男子生徒とサッカーをしている、野球部の熱血顧問だった。一年中真っ黒に日焼けしていたので、2年目からは、他の学校の教員からは体育の教師と間違えられるようになった。

他にも、夜と週末は自分の教育の勉強にあてるつもりだった。実際には夜は野球の勉強、練習メニューの作成、選手に書かせたノートや作文などの添削などにあてられ、週末の時間は練習と試合にあてられた。

小関先生の、「朝一番に学校に来て、最後に門を閉めろ」 という教えを守り、朝6時半に登校、家に帰るのは夜10時をまわる生活が続いた。

(続く…)

1 件のコメント:

  1. 教員のワークライフバランス

     ”スーツを着てクールな英語教師”、~なんていないいない! 
     真っ黒顔と坊主刈りの頭の大裕先生の姿、よく似合ってましたよ。
     あと何年かたって、大裕先生の7年間の教師生活で出会った中学生たちが、”あの時の大裕先生との出会いや言葉や励ましが、人生に影響を与えた”と思い返す子どもたちも出てくるでしょうね。 

     世の中”ワークバランス”なんて言葉が流行っているけれど、熱心な先生ほど、バランス悪いんだろうね。免許更新講習より、十年に1度、1年間の休暇与えられた方が、よっぽど有意義な時間になるのでは。
     来月に開催される学会で、”教員と労働”というブースが設定されています。”教育改革にゆれる教師の仕事と生活”、”教師の労働分析”、”育児休業の視点からの教員の仕事と生活”…など。改革に振り回されている状況は、官僚や政治はどう考えているのでしょうね。文科省の初等中等教育局の人に、現場のことをどれだけ認識しているのか、調査したいくらいだね。

     大裕さんの以前のブログにも書いていたけれど、「休みために働く」というヨーロッパの人の人生観、日本では仕事をしていると、そんなことを考えることすら諦めるんだろうね。フランスでは、企業とかでは、子どもさんがいる家庭から優先的にお休みがとれるようになってるんだって。子どもに合わせて保護者が休暇を優先的に選べる。日本には、こんなシステム取り入れる企業ないのかな?

    AKI

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