僕が今所属しているコロンビア大学教育大学院(Columbia University Teachers College)のCurriculum and Teaching (C&T)というプログラムの博士課程には、5000(Five Thousand)と呼ばれる一年生の関門のような必修授業がある。『納得の一年』でも書いたが、授業について来られずに脱落する者が何人も出る悪名高い授業だ。秋学期に2コマ、春に1コマある授業で、これが何とも激しい。授業を受ける前から他のプログラムの人に「大変だね」と同情されたり、通常1学期12単位分の授業を取らなくてはいけないところを、「5000を取っているから」とインターナショナルオフィスの人に言ったら、何も言わずに9単位でOKとの特別許可をくれたりした。先輩たちも、「5000さえ終われば後は楽だから」としっかり脅かしてくれた。
最初のミーティングには、学部の教授たちが勢ぞろいし、我々はあなたたちを、将来世界に貢献できる研究者(researcher)、教育政策作成者(policymaker)、教員養成を専門にする大学教授(teacher educator)、カリキュラム開発者(curriculum designer/developer)にするために全力を尽くす、と言い切った。いざ、学期が始まり、教授たちの本気がひしひしと伝わってきた。内容も実践的で、興味深いものが多かった。以下に幾つか紹介したい。
- 一つの教育現象に対して異なる視点からアプローチしている論文を読み比べ、その上で自分自身の視点で議論し合う。
最初のミーティングには、学部の教授たちが勢ぞろいし、我々はあなたたちを、将来世界に貢献できる研究者(researcher)、教育政策作成者(policymaker)、教員養成を専門にする大学教授(teacher educator)、カリキュラム開発者(curriculum designer/developer)にするために全力を尽くす、と言い切った。いざ、学期が始まり、教授たちの本気がひしひしと伝わってきた。内容も実践的で、興味深いものが多かった。以下に幾つか紹介したい。
- 一つの教育現象に対して異なる視点からアプローチしている論文を読み比べ、その上で自分自身の視点で議論し合う。
- ある歴史的事件を様々な人種や職業の観点から議論し合う。
- 一人の著名な研究者になりきり、あるテーマについて会議を行う。
- 書いた論文をクラスメートと交換し、批判しあった上で論文を仕上げる。(どのように批判したかも評価の対象となる。)
- 個人でLiterature Reviewを分析、批判する。(Literature Reviewとは、簡単に言えば一つのテーマについて過去にどのような論文が書かれ、現在に至るまでにどのような議論が研究者の間で行われてきたかを書いた論文のことだ。)
- グループに分かれ、Literature Reviewを書く。(どのようなキーワード、データベースを用いて文献を探し、どのようにして文献を絞ったのかも正当化しなくてはならない。)
- 実在の教育政策の分析。
このように、授業の内容も充実していたと思うが、5000に集まった生徒たちもまた、とても面白い人たちだった。C&T博士課程プログラムには一つのこだわりがある。それは、教員経験者しか入学させないことだ。皆、理論や政策を学びながらも、現場に立った自分の経験に根ざした議論ができるので、これがとても良かった。また、最初いた19人のうち、フルタイムの学生は僕を含めて5人だけだった。その他は皆、日中は仕事を持っていた。幼稚園、小学校の教員、中学校の副校長、大学の講師など、多様な人材が集まった。自分を含め、子どもがいる人も少なくなかった。夜に多くの授業が行われるTeachers Collegeだからこそ可能な多様性だと思った。授業で様々な視点を持つ仲間たちと議論ができるのはとても興味深かった。
大変だったことは間違いないが、授業の前には必ず仲間同士でスタディーグループを行い、リーディングノートなどもインターネットでシェアし合い、助け合った。その甲斐あって、春学期が終わった次の日から行われたDoctoral Certification Examという博士課程認定試験では、受けた全員がパスすることができた。今では皆が親友のようだし、他の学部には絶対に負けないと言うプライドさえ分かち合っている。
プライドは厳しさの中にしか生まれない、そう感じた。
このように、授業の内容も充実していたと思うが、5000に集まった生徒たちもまた、とても面白い人たちだった。C&T博士課程プログラムには一つのこだわりがある。それは、教員経験者しか入学させないことだ。皆、理論や政策を学びながらも、現場に立った自分の経験に根ざした議論ができるので、これがとても良かった。また、最初いた19人のうち、フルタイムの学生は僕を含めて5人だけだった。その他は皆、日中は仕事を持っていた。幼稚園、小学校の教員、中学校の副校長、大学の講師など、多様な人材が集まった。自分を含め、子どもがいる人も少なくなかった。夜に多くの授業が行われるTeachers Collegeだからこそ可能な多様性だと思った。授業で様々な視点を持つ仲間たちと議論ができるのはとても興味深かった。
大変だったことは間違いないが、授業の前には必ず仲間同士でスタディーグループを行い、リーディングノートなどもインターネットでシェアし合い、助け合った。その甲斐あって、春学期が終わった次の日から行われたDoctoral Certification Examという博士課程認定試験では、受けた全員がパスすることができた。今では皆が親友のようだし、他の学部には絶対に負けないと言うプライドさえ分かち合っている。
プライドは厳しさの中にしか生まれない、そう感じた。
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